私がビーガン生活を始めた理由はいくつかありますが
完全にプラントベースに変えたときに今まで肉で摂っていた栄養素をどうやってとるのか……
これが一番良く聞かれる質問で、私自身も常に考えてきたことです。
プラントベースにすることで、野菜からのビタミンを摂るようになり、必然的に手作りすることになるので、添加物の摂取量も減りました。前回のブログでも書いたように、腸内環境が変わることで体質が変わってきたことを実感しています。しかし、動物性のものに多く含まれる栄養素が存在することも事実です。その一つがビタミンB12です。
ビタミンB12は、赤血球の形成や神経系の正常な機能に不可欠です。体内でビタミンB12が不足すると、貧血や神経障害などの健康問題が起こる可能性があります。ビタミンB12は肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれているので、ベジタリアンやビーガンの場合は注意が必要です。
ビーガンの場合は、ビタミンB12を摂取するために補助食品やビタミンサプリメントを利用することが一般的です。また、ビタミンB12が添加された穀物、豆乳、または栄養補助食品を摂取することも方法の一つです。
私のお客様の話では、その方のお母様にアルツハイマーのような症状が出て、ずっとなおらず、色んな病院をめぐり、最後にたどり着いたところでビタミンB12不足の可能性を指摘されたそう。すぐにビタミンB12を追加してから、アルツハイマーのような症状はすっかりなくなりました、とおっしゃっていました。
調べてみると、ビタミンB12とアルツハイマー病の関係について、研究は継続中であり、明確な結論が得られているわけではありませんが、いくつかの興味深い関連が指摘されていました。
神経保護効果:
ビタミンB12は、神経機能や脳の健康に必要不可欠な栄養素の一つです。ビタミンB12の欠乏は神経細胞の損傷を引き起こす可能性があります。これにより、アルツハイマー病などの神経変性疾患のリスクが高まるという仮説があります。
ホモシステインとの関連:
ビタミンB12は、ホモシステインという化合物の代謝に必要です。ホモシステインは高いレベルで存在すると、脳の血管に損傷を引き起こし、アルツハイマー病のリスクを増加させる可能性があるとされています。ビタミンB12の欠乏は、ホモシステインの蓄積を促進すると考えられています。
認知機能の維持:
ビタミンB12は、認知機能の維持にも関与しています。そのため、ビタミンB12の欠乏は、認知機能の低下や認知症のリスク増加と関連する可能性があります。アルツハイマー病は認知症の一形態であり、ビタミンB12の役割はこれと関連しています。
これらの関連は、まだ十分に理解されているわけではありませんが、ビタミンB12の適切な摂取が脳の健康に重要であることは確かです。
私の場合は、ビタミンB12が入っている植物性食材も見つけましたが、必要な量を摂取できるものではなかったので、ビーガン用のビタミンB12のサプリメントを併用しています。サプリメントを摂取するときにも効率を重視してひと工夫します。
海藻や海藻製品(例えば、ノリや海苔)、発酵食品(例えば、納豆や味噌)、そして植物性ミルク(例えば、アーモンドミルクや豆乳)などは、同時に摂取することでビタミンB12の吸収を助けることができます。大豆やきのこ類(しいたけ、しめじ、まいたけなど)を使った料理もビタミンB12を助けることができます。例えば、きのこと大豆を使った豆腐スープや、きのこを使った味噌汁などがあります。これらの料理には、ビタミンB12の吸収を助ける植物性食材が含まれています。
参考文献:
Obeid, R., & Herrmann, W. (2006). Mechanisms of homocysteine neurotoxicity in neurodegenerative diseases with special reference to dementia. FEBS Letters, 580(13), 2994–3005. PubMed
Clarke, R., Smith, A. D., Jobst, K. A., Refsum, H., Sutton, L., Ueland, P. M., ... & Collins, R. (1998). Folate, vitamin B12, and serum total homocysteine levels in confirmed Alzheimer disease. Archives of Neurology, 55(11), 1449–1455. PubMed